『つぐない』に見る贖罪と小説家の業

この映画は、姉の恋愛を自らの幼さ故の過失で悲恋にしてしまった妹の、生涯をかけての償いの話である。姉役のキーラ・ナイトレイ主演の甘い本格派の恋愛映画を楽しもうと見始めると、ちょっと肩すかしをくらう。観る前の映画の印象がソフトなので致し方ない…

【2016年】独断映画ランキング【面白かった作品】

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。 以下、本年父が年賀状に記載しました『2016年見た独断映画ランキング』です。 ※父は毎年勝手にランキング付けして、 年賀状に書きつけておくる習慣があるため、 そのデータをこちらのブログにも掲載します…

年末年始に親子で愛を学ぶ〜ジュリア・ロバーツとDV夫の攻防

娘です。 案の定、更新が滞ってきましたこのブログ。いや、まさか父がここまで遅筆とは思って見なかった。なんでもいいと伝えたのですが、やはり難しいようです。 というわけで、娘の私も11月からなかなか風邪が治らず、私自身も更新がままならず申し訳あり…

読書の秋、邦画の秋〜怒り、少女、オーバー・フェンス、だれかの木琴。

9月に入って読書の秋さながら、小説原作の映画化作品の封切りが頻発している。その多くが水準以上の出来で、春には「64―ロクヨン―」の公開があったりして今年度は邦画の豊作の年に違いない。 まず紹介するのは井上荒野原作の「だれかの木琴」。監督は名匠東…

『シアター・プノンペン』から観るミニシアターの悲喜

「シアター・プノンペン」予告編 しばらく前に見た「シアター・プノンペン」はガチガチのミニシアター映画だった。名古屋地区上映館は座席数50ほどの映画ファン好みの超小ぶりな名物シアター。この映画館はアジア映画を中心にアート映画からカルト・ムービー…

たまには漫画の話〜映画と漫画

父の筆が相変わらず止まっているようです。(すみません…)先日実家に戻ったときに話をしたら、映画友だちとの集まりで話題になっている『君の名は』が話題に上がったこともあり、確認も含めて2回も見たよーとドヤ顏でがっつりネタバレしてくれました。そん…

秋にオススメしたい恋愛映画〜『素晴らしき日』

娘です。 父がブログの進め方について悩み始めてしまい、更新が滞っております。楽しみにされてる方がいるかいないかわかりませんが、しばらくご無沙汰してしまい、申し訳ありません。ただ、父からは大作を執筆中で週末までにはなんとかなりそうと連絡があり…

『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』〜『ローマの休日』の脚本家のお話

映画「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」予告 最近観た映画の中で、とりわけ見応えがあったものは「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」だ。この映画は、1940年代後半から50年代にかけてハリウッド映画界を震撼とさせた赤狩りの時代を共産主義者とし…

真夏で出産直前に見た妊婦にオススメしたいような、できない作品

今週のお題が「映画の夏」ということもあり、かつ子どもが誕生日を迎えたこともあり、久々に娘のわたしがしゃしゃり出てみました。(父に頼んだんですが、お題に気がつくのが遅くて間に合わなかったのは秘密ですw) 先にも記しているように私自身は映画をあ…

父、『シン・ゴジラ』を語る ※ネタバレ注意

この夏最大の話題作「シン・ゴジラ」を公開早々に見てきた。物量宣伝のせいなのか大ヒットしているようだ。確信犯的な味付けなので、許容するファンもきっと多いことだろう。しかし僕はこの映画には否定的だ。作品として頭でっかちな内容で物足りず、爽快感…

豪華客船《飛鳥Ⅱ》船上映画事情

先日、半ば強制的に家族に誘われて身の丈知らずの豪華客船≪飛鳥Ⅱ≫に乗船、九州日南に向けての三泊四日の花火見学ツアーに参加して来ました。その時の体験を基に今回は息抜きを兼ねた番外編として、≪飛鳥Ⅱ≫船内の映画事情を報告したいと思います。 船内で映画…

1960年代映画学科生の自己紹介映画

娘が得意なジェーン・オースティン絡みでつないでくれたので、少しリラックス出来ました。有り難う。 ということで本題に入りたいとおもいますが、一口に映画学科と言っても、ほんとうに色んな映画仲間がいて楽しかったですね。入学して間もなく、自己紹介を…

プライドと偏見…とゾンビ

突如として娘です。今回は娘語りです。よろしければお付き合いください。 実は私、かつてはてなダイアリーを(匿名ですが) 開設していたことがあり、その頃はそれなりにページビューを稼げていたのに、今回のこのはてなブログでは思いの外アクセス数が稼げ…

1960年代の終わり、大学の映画学科に進学した頃の話。

自分自身にとっても思い出深い時代なのですが、この映画ブログを読んでいる人の中にも映画を勉強している学生さんもいるようなので、私が映画学科に入学した頃のことを中心にして今回は話を進めたいと思います。 高校在学時には映画が生活の一部になっている…

父から娘へ3 〜1980年代、君たちの好きだったアンパンマン、ジブリ、チャッキー

僕の勤務先の映画館にやって来て見てくれた映画は、この間の指摘通り「それいけ!アンパンマン・キラキラ星の涙」でした。亡くなったおばあちゃんも一緒に来たんですよ。1989年3月公開作で、いまはもう20作品以上作られているヒットシリーズの一作目を見に…

父から娘へ2 〜1960年代、僕が10代で映画を見始めたころのこと

ブログにまとめるため、10代の頃の映画に関する記憶を呼び起こそうとしているのですが、系統立ててしっかりとは思い出せないものですね。半世紀も前のことなので、話が前後することなど今後あるかも知れませんが、その際はお許し下さい。ということで、思い…

父から娘へ

思いがけない父の日の「ブログ」のプレゼント有り難う。お父さんはお酒がまったく飲めないので、例年のようなジュースやコーラなどの庶民的?な贈り物で十分だったのに、今年もそんな類いのプレゼントのことを実際うっすらとはいえ思い浮かべていました。 そ…

娘から父へブログのプレゼントです。

父さんへ父の日にあわせて、ブログを作ってみました。慣れなくて時間かかっちゃったけどごめんなさい。大学の映画学科を卒業して、映画館で勤め、館長まで勤めた父さんに映画についていろいろ語ってもらえると面白いなとずっと思っていました。会うときにも…